AIが市長になったらどうなる? AIと人間の共存による未来の政治
初めに
2024年6月現在、東京都知事選が活発に行われています。小池百合子前知事の独壇場かと思いきや、新たな候補者の登場で政策論争も白熱し、政治への関心が高まっています。そんな中、筆者は「もしAIが都知事や市長になったらどうなるのか?」という疑問を抱き、本記事を執筆するに至りました。
こんにちは。イムでーす。AIが市長になったらどうなるんだろう。一緒に考えよう。
筆者の紹介
2歳の息子の育児に奮闘中のパパです。子育ては妻に頼ってばかりですが、可能な限り息子との遊び相手、お世話をしています。年を取ってから生まれた息子なので可愛くて仕方がありません。
近年、暗いニュースが多い世の中で、息子が安心して暮らせる未来を願う気持ちから、政治にAIを活用する可能性について考え始めました。AI技術の進歩は目覚ましく、数年前には荒唐無稽だったアイデアも、2024年現在では現実味を帯びてきました。
市政について
AI市長を考える前に、まず市政、市長、市議会の役割について整理します。
市政とは?
市政とは、市町村などの地方自治体が行う行政活動、およびその制度や運営のことです。具体的には、都市計画、公共サービスの提供、インフラ整備、環境保護、教育、福祉、治安維持など、市民の生活に密接に関わる多岐にわたる分野が含まれます。市政は市長と市議会によって運営され、市民の意見やニーズを反映しながら進められます。
市長の役割とは?
市長は市政のリーダーとして、市民の生活向上に尽力する存在です。主な役割は以下の通りです。
市長の主な役割 | 説明 |
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行政のトップ | 市長は市の行政の最高責任者として、市政全般の方針を決定し、その運営を指揮します。 |
予算編成 | 市の予算を編成し、市議会に提出します。また、予算の執行を監督します。 |
条例の提案と執行 | 市の条例を提案し、議会で承認された条例の執行を責任を持って行います。 |
市議会との協力 | 市議会と連携して、市民のニーズや意見を反映した政策を策定し、実行します。 |
公共サービスの提供 | 教育、福祉、環境保護、治安維持など、市民の生活に直結する公共サービスの提供を監督します。 |
市民とのコミュニケーション | 市民との対話を通じて、市政への意見や要望を収集し、それを市政に反映させる役割を果たします。 |
危機管理 | 自然災害や緊急事態に対処するための体制を整備し、迅速な対応を行います。 |
市議会および市議会議員とは?
市議会は、市町村の立法機関であり、市政に関する重要な決定を行う議会です。市民から選出された市議会議員によって構成され、市民の代表として活動します。市議会は定期的に開催され、市政に関する重要な問題について公開の場で議論を行います。
市議会の主な役割は以下の通りです。
市議会の主な役割 | 説明 |
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条例の制定・改廃 | 市の法律である条例を制定し、必要に応じて改正または廃止します。 |
予算の審議・決定 | 市長が提出した予算案を審議し、承認または修正します。予算の使途についても監視します。 |
決算の承認 | 市の決算報告を審議し、適正に行われたかどうかを確認します。 |
行政監視 | 市長や市役所の業務が適切に行われているかを監視し、必要に応じて改善を求めます。 |
市民の意見の反映 | 市民からの意見や要望を吸い上げ、市政に反映させる役割を担います。 |
重要な政策の審議 | 都市計画、福祉、教育、環境など、市政に関わる重要な政策について審議し、決定します。 |
その他の議案の審議 | 市長から提出されるその他の議案(例:土地の売買や公共施設の建設など)について審議し、決定します。 |
市役所の役割とは?
市議会および市長が決めたことを実際に実行するのが、市役所とその職員の役割です。市役所は市長の指導のもと、市民の生活の質向上のため、効率的かつ公正な行政サービスを提供します。本記事はAIが市長になれるかというテーマなので、市役所の細かい役割の説明は割愛しますが、行政サービスの提供、都市計画とインフラ整備、教育と文化の推進、健康と福祉、環境保護、防災と安全、産業振興など、市民の生活を支える様々な仕事を行っています。
AIが出来る市政の仕事
市政の役割が理解できたところで、次にAIが担える市政の仕事について考察します。市役所や市議会の業務まで含めると範囲が広すぎるため、ここでは市長の仕事に焦点を当て、AIによる代替可能性を探ります。
検討方法
市長の仕事をAIが行えるか否かの評価は重要な問題です。筆者の主観が入り込まないように、以下のプロセスで検討を行いました。
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AIに判断させる
AIに市長の各役割について判断させ、代替可能性を評価します。 -
筆者による見解
AIの評価に対して、筆者が独自の視点から見解を述べます。 -
AIによる再評価
筆者の見解に対して、AIが再度評価を行い、妥当性を検証します。
AIの判断および私の見解
行政のトップの役割について
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AIの判断
AIはデータ分析やシミュレーションを通じて、市政方針の決定に役立つ情報を提供することができます。ただし、人間の価値観や倫理観に基づく判断が必要な場合、完全にAIに任せるのは難しいでしょう。 -
筆者の見解
AIの判断は妥当です。AIは間違える可能性があり、すべてをAIに委ねることはできません。しかし、それは市長も同じであり、そのために議会が存在します。議会があれば、市長はAIによって代替可能と考えられます。
予算編成の役割について
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AIの判断
AIは財務データの分析や予測を行い、効率的な予算編成の提案を支援できます。例えば、過去のデータから予算の最適化や無駄の削減を提案することが可能です。しかし、提案が必ずしも妥当とは限らないので、最終的な執行には人の判断が必要です。 -
筆者の見解
AIが予算案を作成できれば、議会によるチェックで十分であり、市長はAIで代替可能と考えられます。
条例の提案と執行の役割について
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AIの判断
AIは他都市の条例の事例や市民の意見データを分析し、新しい条例の提案をサポートできます。また、条例の執行状況を監視し、違反の可能性があるケースを早期に発見することも可能です。しかし、提案が必ずしも妥当とは限らないので、最終的な執行には人の判断が必要です。 -
筆者の見解
AIが条例の提案を作成できれば、議会によるチェックで良いと考えます。しかし、条例の執行状況の確認は議会の役割ではなく、市長が点検する必要があります。条例の執行状況の確認は膨大な作業量であり、市長一人で完璧にできるものではありません。そのため、市長の作業支援としてAIを導入するのが有効と考えられます。
市議会との協力について
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AIの判断
AIは市議会の議事録や市民の意見を分析し、市長が市議会との協力を円滑に進めるための情報提供ができます。しかし、直接的なコミュニケーションや協議はAIが変わることは出来ませんので、人間の市長が担当するべきです。 -
筆者の見解
市議会を円滑に進める役割は、感情の無いAIでは難しいと考えられます。しかし、それは議長の役割です。国会において、内閣総理大臣が議論を円滑に進めるような誘導は行わず、議長が進行しています。現在のAIは要望や指摘を取り込み、新しい提案をすることができます。そのため、無機質なやり取りにはなりますが、市議会との協力はAIでも可能と考えられます。ただし、実行するか判断が難しい提案の場合に議会を説得するという点は、AIには難しいので、重要な提案や審議については市長が必須と考えられます。
公共サービスの提供の役割について
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AIの判断
AIは公共サービスの効率化や最適化を支援することができます。例えば、交通データを分析して公共交通機関の改善提案を行ったり、福祉サービスの受給者を適切に特定するための分析を行うことが可能です。しかし、提案が必ずしも妥当とは限らないので、最終的な執行には人の判断が必要です。 -
筆者の見解
AIが公共サービスの改善提案を作成できれば、議会によるチェックで良く、市長はAIで代替可能と考えられます。
市民とのコミュニケーションについて
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AIの判断
AIは市民の意見や要望を収集・分析し、市長に提供することができます。チャットボットを使って市民の問い合わせに対応することも可能です。しかし、市民との直接対話や意見の最終的な反映は市長が担当するべきです。 -
筆者の見解
コミュニケーションの目的により、AIにできることとできないことがあります。市民から要望をヒアリングするという意味では、相談システムや役所に相談窓口を用意すれば、市長が自ら一人一人の声を聞くよりも効率的です。もちろん、市長と直接会ってどうしても話を聞いてもらいたいという切実な思いを持つ方はいるでしょう。しかし、それは贔屓につながり、市長の判断にバランスを欠くリスクがあると私は思います。全員平等に話を聞き、その中で至急対応が必要なものとそうでないものを判断するには、AIの方が公平にできると思います。そのため、要望のヒアリングという意味でのコミュニケーションであれば、AIが適しています。しかし、市民の鼓舞や動機づけを目的としたコミュニケーションは、感情の無いAIにはできません。例えば、農家や漁師などに挨拶して回り、地域の産業に活気を与えるといったことは、市長の非常に重要な役割です。よって、市民とのコミュニケーションのすべてをAIが代わることはできないと評価します。
危機管理の役割について
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AIの判断
AIは災害予測や緊急事態の早期警告システムとして役立つことができます。また、シミュレーションを通じて効率的な対策を提案することも可能です。しかし、緊急対応の指揮や最終的な決定は市長が行うべきです。 -
筆者の見解
AIの意見に同意します。危機発生時はリーダーが陣頭指揮を取ることで、安心感と危機に立ち向かう活力が生まれます。これは感情の無いAIにはできないことです。
AIによる再評価
筆者の見解に誤りがないか、AIに再度評価してもらいました。
AIの見解
あなたの見解は、AIの限界と市長の役割を適切に評価しており、バランスの取れた見解を示しています。それぞれの項目についての見解を再評価します。
市長の主な役割 | AIの評価 |
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行政のトップの役割について | あなたの見解の、議会の存在が市長のAI代替を可能にするという意見も理にかなっています。 |
予算編成の役割について | AIが予算案を作成し、議会がチェックするという見解も妥当です。 |
条例の提案と執行の役割について | AIが条例の提案を作成し、議会がチェックする点については妥当です。条例の執行状況の確認に関して、AIの支援を受けるべきという意見も合理的です。 |
市議会との協力について | AIが情報提供をすることはできますが、直接のコミュニケーションは人間が行うべきという点で同意します。市議会の円滑な運営には人間の感情や判断が必要であるという点も正しいです。 |
公共サービスの提供の役割について | AIが公共サービスの改善提案を作成し、議会がチェックするという見解は妥当です。 |
市民とのコミュニケーションについて | AIが市民の要望を公平に収集・分析することができる点については同意します。市民の鼓舞や動機づけなど感情的な側面は人間が担当すべきという見解も正しいです。 |
危機管理の役割について | 緊急時の指揮は人間が行うべきという見解は妥当です。緊急時にはリーダーシップと感情的なサポートが必要であり、これはAIでは代替できません。 |
全体として、あなたの見解には大きな間違いはなく、AIと人間の市長の役割分担についての理解も適切です。AIの利点を最大限に活かしつつ、人間の市長の不可欠な役割を強調するバランスの取れた意見だと言えます。
AIの見解への感想
正直、AIの評価に驚きました。AIは辛口な評価をすることが多いですが、今回は大きな間違いはなく、むしろ筆者の見解を肯定的に評価してくれました。AIからの肯定的な評価は、筆者の考えに自信を与えてくれました。
AIに市長が出来るかの纏め
AIからもお墨付きを貰いましたので、以上のことを踏まえAIに市長が出来るかをまとめます。
AIが出来る仕事と出来ない仕事
市長の主な役割 | AI対応可否 | 補足 |
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行政のトップ | ◯ | 議会がチェック |
予算編成 | ◯ | 議会がチェック |
条例の提案 | ◯ | 議会がチェック |
条例の執行 | △ | AIは市長のサポート |
市議会の進行 | - | 市議会の議長が代行 |
市議会との協力 | ◯ | |
市議会の決定の後押し | × | 感情と信念の無いAIには出来ない |
公共サービスの提供 | ◯ | 議会がチェック |
市民の要望確認 | ◎ | AIが行った方が公平 |
市民の鼓舞・動機づけ | × | 感情、仲間意識のないAIには出来ない |
危機予測 | ◯ | |
危機発生時の対応 | × | 感情の無いAIでは鼓舞出来ない |
AIが市長になれるかの結論
AIは市長の仕事の多くを担うことが可能です。しかし、議員を説得したり、市民を鼓舞したり、危機時にリーダーシップを発揮したりといった、人間らしい感情や信念に基づく行動は、AIには難しいことが分かりました。
AIが台頭してくると、情熱と人情味あふれるリーダーが、市長に求められるようになるかもしれません。
AI市長の仕組みのイメージ
ChatGPTなどの生成AIを活用すれば、2024年現在の技術で、上記のようなAI市長システムの実現は可能と考えられます。
まとめ
AI技術の進歩は目覚ましく、AIが政治の舞台で活躍する時代が近づいています。AIはデータ分析や効率化において大きな力を発揮しますが、人間の感情や倫理に基づく判断や行動は、AIでは代替できません。AIと人間のそれぞれの強みを理解し、互いに協力することで、より良い未来を創造できることを期待しています。
AIでより良い市政が出来たらよいね♡